story

□Moonlight story
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夜明け前
サンジはふと目覚めた。


窓から入る月明かりは いつもより明るく辺りを照らしている。


(目ェ覚めたついでに一服でもするか‥)

体を起こそうとするが、これがなかなかの一苦労。

何故なら、隣にはゾロがサンジをしっかりと抱え込み、スースーと寝息を立て眠っているのだ。


ほんの数時間前まで抜かずの三発よろしくたっぷりやったせいか、えらく満足気な寝顔だ。


(‥くっつきすぎだろ)


チッと 舌打ちしつつも実はこうされるのが大好きだったりするサンジは 赤面する。

巻き付いた太い腕をどうにか引きはがし起き上がる。


「ンン…」

ゾロの眉がわずかにしかめられ、引きはがした腕がサンジの寝ていた場所を「ポンポンッ」と二、三度探る様に動いた。

それから仰向けになると、またスースーと寝息を立てはじめる。

(寝ながら 俺の事 探してんのか?)

自然と唇から笑みがこぼれる。


脱ぎ散らかしていたジャケットを手繰り寄せ、煙草を取り出し 火をつけた。

大きく吸い込んでゆっくり肺を満たし、ふぅーっと煙りをはいてから 隣で寝ているゾロの顔を見下ろす。


形のいい眉の下、鋭い眼光を放つ瞳は、今は閉じられている。

深ーく刻まれる眉間のしわも 今はない。

スーッと通った鼻筋に、うすく開いた唇

キレイな顎のライン

男らしく整った、精悍な顔だ。


視線を徐々に落としていく


太い首に、ボコッと出た喉仏

ここはコイツのウィークポイント。

鎖骨から続く 大きな広い肩

裸の胸は 日に焼けて逞しく、寝息とともにゆっくり上下している

斜めに走る大きな傷痕は、ちょっとだけ胸がチクッときたりするが、これもコイツの一部 “剣士の勲章”ってやつだろう…


ついつい見惚れてしまう


本当にいい男だ。


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