story

□Jesus
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鷹の目の居場所がわかった。

いくつもの死線を乗り越え
身体を鍛え上げ
ついにアイツはこの船を降りる。

目指すは
『世界一の大剣豪』

アイツに迷いなどない。
昔からそうだった。
真っ直ぐ前へ向かい進む姿―

俺はその背中をいつも見ていた。

傷一つない美しい背中を護っていると思ってたのは 俺のエゴか‥


“ジーザス”


例え神でさえも
アイツを止める事は出来ねえ
引き止める術も理由もねえ
俺の声は届かず
氷の様に凍てついたまま


“ジーザス”


例え神でさえも
俺を埋める事は出来ねえ
アイツの存在が無くなり
ぽっかり空いてしまった心の穴


“ジーザス”


ならばせめて
アイツがこの船まで辿り着けるよう
足元を照らしてやってくれないか

戦いを終え『大剣豪』の称号を手に入れたアイツが、迷う事なく無事帰って来れるよう
導いてやってくれ


『お前の帰りを 俺は待っている』





END


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