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□愛が向かう先は
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「いつまで、導師に縋りつづけるつもり?
あいつに捨てられたんだよ、あんたは。」
「そっ・・そんなこと、ないもん・・だってイオン様は!」
「じゃあどうしてアリエッタは導師守護役から外されたんだい?」
「それは・・わからない、けど・・。」
「アリエッタは捨てられたんだよ、あいつに。」
「そんな事ないもん・・そんな事ない、もん……。」
どんどん小さく、消え入りそうになる彼女の声。
ポロポロと、後から後から流れ続ける涙は、彼女の頬を濡らしてゆく。
(どうせ僕を愛してくれないのなら、いっそ嫌いになって、憎んでくれる方がまだマシだった。)
感じるのは、少しの罪悪感と、満たされはしないこの思い。