中央編E

□中央編125 兄さんがカワイイのは顔だけじゃない。
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「あれ〜?アルフォンス君、ココ」
「え?」
同僚の女性士官に指を指された場所は、首の後ろ、うなじ辺りだ。
「これ、キスマークでしょ?怪我で休暇だったのに、どういうわけえ〜?」
にまにまと笑いながらそういわれ、アルフォンスは思わず真っ赤になった。
「ええっ、エルリック大佐、やっぱ彼女いるんですね!」
「やっぱイイオトコはいるよねぇ」
 どこからか、わらわらと女性たちが集まってきて、アルフォンスは慌てる。
「あ、いえ、これは…」

気づかなかった!ってか、さすがに、今回は怪我が酷かったし、兄さんも病み上がりだったからヤってない!
兄さんのいたずらだ!

アルフォンスの心に、「あっかんべー」とニヤニヤしているエドワードが浮かんだ。

「虫刺されですよ〜」
なんて笑いながら、女性士官たちのところから離れたアルフォンスだったが、やられた!という思いでいっぱいだ。

 いつ、つけられた?
 寝てる時?自分が起きた時、兄は眠っていた。タヌキだったのか?それとも、もっと早くに起きて、キスマークをつけてから寝たのか?

「ったく、かわいすぎて、どうしようもないな…!」
 そう、ここで『もえェええええ!』と叫びたいところだが、いやいや、ここではそういうキャラじゃない。
 顔を手で隠して、にやける顔を抑えた。



「ただいま」
「おかえり、アル」
「って、兄さん!」
「うお?」
 帰って早々、詰め寄られて、エドワードはアルフォンスを見上げた。
「どうしたんだよ、アル」
「コレだよ、これ!」
 アルフォンスが、首筋に指さすと、エドワードは「あはは」と笑いだした。


「気づいたのか。ってか、誰かに言われた?」
「先輩女性士官たちにね!」
「ほほ〜。それは、それはよかった」
 にんまり、と笑ったエドワードは、とても嬉しそうだ。
「もう、カワイイことしてくれると、仕事中無意味に、ニヤニヤしちゃうから、やめてよね」
「なんだよ、ニヤニヤしちゃうって。焦るの間違いだろ?」
「だって、こんなことする兄さん、かわいすぎるでしょ!?もう、かわいいの他になにも思わないよ!もう、このやろ〜ぐりぐり〜ってカンジ!」
 そういいながら、エドワードを抱きしめ、ぐりぐりと下腹部を近づけていくアルフォンスに、
「股間をグリグリするなぁ〜!」
 エドワードが腰を引いているのに、さらにぐいぐい押しつけてくるので、テーブルに押し倒されるような形になってしまった。
「ちょっ、マジ、やめろっ!」
 真っ赤になった兄に、アルフォンスは、にんまり、と笑う。
「休暇だったけど、兄さんの病気やけがが心配で、全然触れられなかったから、今日はいいよね?」
 エドワードは、むす、と口を尖らせて、
「キスして、赤い水の咳がうつってもしらねェぞ」
「もう、大丈夫だよ」
 ちゅ、と唇に軽いキス。
 そして、さらに下腹部をぐいぐいと押しつけた。
「〜〜っ!もう、ばかっ!やめろ!」
「ふふ、限界みたいだね」
 エドワードの背中に左腕を回して支え、アルフォンスの右手が器用に兄のボトムを降ろしていった。
「っ!ま、まだ、飯食ってねェのに!」
「据え膳食わぬは男の恥っていうでしょ?料理より美味しそうな兄さんを食べてなにが悪いの?」
「悪いなんていってねェだろっ。…でも、キスマークはただの虫よけだったのに!」
「僕にも、つけさせてよ。いっぱい、虫よけを」
「っ」
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