中央編E

□中央編 サンカクカンケイ
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サンカクかんけい?

「そういえば、最近、ユン少尉に甘えないですね」
 アンダーソン弟の言葉に、エドワードは目をパチクリさせた。同様に、近くにいたユンもそうだった。
「私もそう思います☆」
 マリアンも同意らしい。
「赤い水の時も、ユン少尉に逃げなかったですし」
「そりゃぁ、おまえ。人のモンになった男を奪うほど、落ちぶれちゃいねェぜ」
 そこで、ガタン、と物を落としたユンに全員が注目した。
「あ、スミマセン…」
「アリッサが可哀想だろ〜?少しはユン離れしねェと」
「そんなこと、考えていたんですか」
「うん」
「でも、ガネット中尉は既婚者でしたけど、甘えまくってませんでした?」
「ガネットはいーの。マリィさん、理解在る人だし。マリィさん在りのガネットがお気に入りだし」
「…そうですか」
「そ」
 そんな会話をしていた、二人に、アンダーソン弟が、
「でも、ユン少尉、それがちょっと寂しいとお思いなんでしょう?」
 そういわれて、ユンは目を瞬かせた。
 が、くすり、と笑みを浮かべて。
「そうかもしれません」
「なんだよ、ユン。そうならそうと言ってくれたら、もっと甘えたのに〜」

 そこで、ダン、と大部屋の扉を開いたのは――もちろん、この人。
大総統秘書官でもあり、少将弟の、アルフォンス。
「なんのお話ですか!」
「秘書官は、なぜ、初っ端からお怒りモードですか」
 アンダーソン弟にそういわれて、
「甘えるとか、なんとか!兄さんが甘えるとか、気が気じゃないんです!最近僕に甘えるのも少ないのに!」
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