未来軍部11

□はろうぃん準備
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「はぁ…」
「朝から、溜息多いですね」
 食堂のいつもの場所にいたアルフォンスに、エイジは自分のトレイを運びつつ、前の席に座った。同時に、エネルもエイジの横に座る。
「あ…そうですか?気づいてませんでした」
 そう曖昧に笑うアルフォンスのつついている皿は、一向に減る様子もない。
「どーせ、エド関係だろ」
「この前の、『アルフォンス・エルリック中佐の入室を禁ずる!』から立ち直れてない、とか」
「いえいえ、あれは、もう大丈夫です。最近……。無駄に多いと思うんです」
「何がですか?」
「色気です」
「「はぁ?」」
 エイジもエネルも同時に首をかしげた。
「兄さんは、ずっと『カワイイ』と思ってました。いえ、夜は別です。だけど、最近っ!こう、ピンポイントで、色気を出すようになってきたんですっ…!」
「……」
 エイジは、黙り込んだが、「おお!それわかる!」となぜか、同意している人間がいて、軽蔑のまなざしを隣にむけた。
「なんだろ、こう…かわいい笑顔かと思いきや、ちょっと小馬鹿にしたような視線で、オレを見るときに、色気を感じる!」
「それは、本当にバカにしてるんだとおもいます…」
 エイジの言葉は聞こえていないらしい。
「もうすぐ、東方司令部で、ハロウィンのお祭りしようって話が出てるじゃないですか。その衣装が届いて、あれでもないこれでもないって真剣に選んでるその横顔に、ちょっと欲情しそうになって、抑えたんですけど、よく考えたらなんか、色気オーラが出てると思って!で、しばらくぼうっとしてたら、兄さんが「これにした〜見てみて、アル〜」ってみせた衣装がっ!」
「衣装がっ!?」
 思わず、前のめりのエネル。もう少しで、スープがこぼれそうだった。
「ミイラ男だったんですよ〜ぅ」
「ま、まさか、そのミイラ男ってっ…はだ、はだかっ!?」
 エネルの言葉に、強くうなずくアルフォンス。
「にぱ〜って笑うんじゃないんですよっ!ちょっと、悦入ってるような、こう何とも言えない下目視線で「こえぇだろ?」ってっ…!」
「思わず、踏まれたい気分になるとかっ!」
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