中央編E

□中央編122 副司令官の憂鬱
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 …ところで、先ほどエルリック大佐と少将は、コレは仕事だと言っていた。どういうことだろうか、と思う。
 
『アンダーソンの任務は終了。次の任務は、モテすぎアルを回収することだ』
 耳元の無線の先で、エドワードの声が。
「エルリック大佐もお仕事なのでは?」
『あいつの仕事は、今はやりの店の、ウラ情報を入手するだけだから、そろそろいい。回収しろ』
「了解しました」
 若い女性ではなく、子供が相手なら、自分でも務まる。
 だが、あの、モテすぎな大総統秘書官を回収するほうが、よっぽど難しい任務だ。

「あの、エルリック大佐。ちょっと…」
 そう、耳打ちしようとしたら、「ちょっとどいてよ!」と、押し出され、近づくにも一苦労だ。
 エルリック大佐がこちらに気づいてくれれば、どうにかなりそうだが、モテすぎて、アルフォンスの周りに何重にも壁があるような状態だ。

『ったく、アルのヤツ!女にモテて喜んでんじゃねぇぞ!!』
 と、つぶやいたエドワードの声が、自分の無線にも届いた。
…明日は、司令官の機嫌もすこぶる悪いだろう。…と、いうことは、書類が進まないということだ。
「あああ…」

 副司令官の憂鬱は、まだまだ続きそうだ。



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