中央編E

□中央編 ちびっこぎゃんぐ
2ページ/2ページ

「「「マジですか」」」
 アンダーソン兄弟とユンは、エドワードの姿をみて愕然とした。
 黒いスーツを着て、自分たちに、銃を向け、笑っている彼。そして、やや離れた場所に、黒いスーツを来たマリアンが立っていた。
「わりーなぁ、マーカーにいろいろと借りがあるらしいのと、オレの大事な“シマ”が同じ系列のやつに、またも取られそうで、取られたくなかったら、自分で交渉しろっていわれちゃってさぁ」
「いえ。マジですか、といったのは、貴方が銃を撃って大丈夫なのか、ということです」
「そっちかよ!!」
「ええ、兄と同じ意見です」
「普通、司令官が一時でもマフィアってたら、こう、衝撃があるもんだろうが!」
「いえ、経験済みですし」
 そう、ユンが言った。
 そんなやりとりを、聞いていたのか、笑い声が聞こえて、四人が天井を見ると、アルフォンスとエネルが、通気口らしき場所から、下りてきた。
「アル!エネルまで!」
「ごめん、なんか笑えて」
「なんでだよ!」
「ってか、大総統府まで筒抜けなんですか?」
 アンダーソン兄の声に、
「そりゃ、エルリック少将は、目の“下”のこぶですからねェ。密告とかされますよねぇ」
 アルフォンスの言葉に、そこにいる全員が納得だ。

「で、マフィア会合は終わったの?」
「軍がいるって知ったら、みんな散り散り。今、マフィアの戦力を失うわけにはいかないから、戦わないぜ。マーカーは、面倒くさいってカオして、ルイに促されて、脱出してた」
「律義に、兄さんとジンデル中尉は待ってた、ということですか」
「そ」
 一同、はぁあああああ〜と脱力したことは言うまでもない。
 全員が無駄な動力だったからだ。

「ちなみに――銃から」
 パン、と発砲して、一同は一瞬驚いたが、その銃口からは――
「旗がでま〜す☆」
 つまり、玩具だったらしい。
 …それも、ホンモノを扱うそこにいる全員には、わかっていただろうが――

「うおっ、そういえばエネルだ」
 一人、両手両膝を床につけていたエネル。
「おまえ、オレの“ウラ”初任務、コレだからな!脱力するかんな!!エイジに笑われるからな!!」
「だはは!エネルらしいな!」
「らしいですね」
 エルリック兄弟に笑われて、しまったエネルだったが、
「これの報告書、どーすんだ!?」
 と、そっちのほうが大変だった。


その報告を受けた、大総統のセリフは――
「はっ、ただのちびっこギャングか」



前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ