未来軍部11

□金無垢の終末(後篇)
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 エイジは、目を見開いて、エドワードを見た。彼は、に、といつもの笑顔を見せた。
「それは、キツイお灸ですね」
 エイジは、溜めていた息を、ふう、とすべて吐き捨てる。

 二人の視線は、六人の戦闘に向けられる。
「ところで、エデンの研究内容はどこにあるんですか」
「んー…あえて言うなら、ココとアソコかな?」
 エドワードが、とんとん、と頭を指先ではじく。そして、アソコと指差したのはアルフォンスの頭だ。
「そして、キーは"Love your various desire, but but still want to tell is that this only' アルからオレへのラブレター」
 ちゅ、と懐から取り出した紙切れに、キスをした。
「ああそうですか」
 あきれたエイジだが、エドワードはそれを再び懐にしまいこみ、やっとベッドから立ち上がった。
「さて、そろそろ命令してもいいかな」
「どうぞ」
 エドワードは、すう、と息を吸い込んで。
「全員、あと、五秒で決着をつけろ!准将命令だ!」
「「「了解」」」
 その声に、アルフォンスの一本背負いがきまり、エネルの大外刈りが決まり、マーカーの蹴りが横腹にヒットし、白いコートの女、三人ともが雪に背を強打された。
 そして、アルフォンスが錬成したロープで、女三人の手を縛りあげる。
「なんなのよ!」
「かよわい女の子になにすんのよ!」
「痛いわよ!」
 と口々に言っていたが、エドワードは。
「うっせぇええええ!オレは、エマリー中将がだいっきれーだ!アイツの部下も基本嫌いだ!」
「あんたに何がわかるの?エマリーの」
 メイリンの言葉に、エドワードはぴくり、と眉を動かした。
 だが。
「おまえらに、オレの何がわかる。毛頭、テメーらと仲良くするつもりはない!同情もしねぇ!だって、おまえら嫌いだから!公安なんかクソくらえだ。あと、テメーらは放置する」
「「「ええーっ!!寒いじゃないのよ!」」」
 にやり、とエドワードが笑う。
 四人はあきれて、苦笑したが、エドワードはスタスタとその場を去り、破壊された基地に向かった。 

 そして、両手をたたいて、基地の建物を元通りにー―。
「せめて、元通りにしてあげたら、どうですか、准将」
 思わずエイジがつぶやく。
「え、なんで?せめてものお礼にかっこよくしたんだけど」
 屋根には龍と虎の装飾に、あちこちのドクロの模様がある。
 基地に駐屯しているハーバーは唖然とその建物を見上げた。
「お気の毒」
 エネルが、ハーバーの肩に手を置いたが、ハーバーはすでに意識が遠かった。
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