□君の望む世界
1ページ/1ページ


了が言ったんだよ。

お前さえいれば、他には何もいらないって。


了が望んだことじゃん。

なのにどうして、何で私を拒絶するのかなぁ。

ねぇ、そんな怖い顔しないで。


「笑ってよ、了」

「うるさ、い」

苦しそう。

「どうしたの、了」

「お前が、殺したんだ。俺の姉貴も、先輩も」

「なぁんだ、そんなこと」

そうだよ、私。

私がやったの。

だって二人とも、私の了にベタベタしてさ。

「邪魔だったから」

「お前…狂ってるよ」

後退りして、私から離れようとする。

素直じゃないね、そんな了も好きだけど。


「来るな、近づくな、お前なんか大嫌いだ」

「素直じゃないなぁ、そんなにお姉さんたちに会いたいの?」

「なにを、」

「いいや、もう。了、お喋りし過ぎ」

首筋に注射器を押し当てる。

「少し、眠っててね」

勢いよく首に注射を刺す。

次第に了から力が抜け、手がだらりと落ちた。

「了。これからはずっと一緒だよ」



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ