病
□君の望む世界
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了が言ったんだよ。
お前さえいれば、他には何もいらないって。
了が望んだことじゃん。
なのにどうして、何で私を拒絶するのかなぁ。
ねぇ、そんな怖い顔しないで。
「笑ってよ、了」
「うるさ、い」
苦しそう。
「どうしたの、了」
「お前が、殺したんだ。俺の姉貴も、先輩も」
「なぁんだ、そんなこと」
そうだよ、私。
私がやったの。
だって二人とも、私の了にベタベタしてさ。
「邪魔だったから」
「お前…狂ってるよ」
後退りして、私から離れようとする。
素直じゃないね、そんな了も好きだけど。
「来るな、近づくな、お前なんか大嫌いだ」
「素直じゃないなぁ、そんなにお姉さんたちに会いたいの?」
「なにを、」
「いいや、もう。了、お喋りし過ぎ」
首筋に注射器を押し当てる。
「少し、眠っててね」
勢いよく首に注射を刺す。
次第に了から力が抜け、手がだらりと落ちた。
「了。これからはずっと一緒だよ」
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