小林、

□シンパシー
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「……」

ここは、どこ?

学校…?

「!」

小林。

隣にいるのは、桜?


楽しそうに笑い合って、手を繋いで…。

「あ…」

膝から力が抜ける。

立っていられなくなって、座り込んだ。


「い、や」

声がうまく出ない。

凍りついた身体。


「嫌っ!!!」

「何が嫌なんだ?」

「…え?」

小林が顔を覗き込む。

「ここは…」

「何言ってんの、教室」

周りを見ると、生徒は一人もいない。

「ってことは…あたし寝てた?」

「そういうこと」

小林が笑いながら、立ち上がる。


肩に重みを感じる。

後ろを見ると、肩に小林の学ランがかかっていた。

「あ、それ?風邪引いたら大変だからさ」

「馬鹿、あんたが風邪引くよ」

そうだな、と笑う。

本当に、馬鹿。

…優しすぎるよ。




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