な
□奴隷<中>
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(そういえば…何であんな顔…)
フと思い出しただけなのに…それだけで頭がいっぱいになって、眠れなくなった。
(…聞いてみよ…)
「なあなあ…サスケ…?」
「…なんだ?」
「何でそんな寂しそうな顔するんだってば?」
単刀直入に聞く。
まぁ、ややこしい言い回しは嫌い…というか苦手?だから、ね。
「……………分かるのか?」
少しの沈黙の後、素直に答えてくれた。
「…俺ってば、ヒトの感情とか、…直ぐ…わかっちまうんだよな…」
苦笑いしながらくるりとサスケの方を向き、理由を言う。
みんな、俺をいつも嫌な目で見てたから。
そんなこと、分からなくても良かった――
いや、わからないままが良かった。
俺に対する思いが…
伝わってくる来て――
辛い…―――。
「……俺、家族、みんないないんだ…兄に…殺された。それで、もう…ずっと俺一人でこの家に住んでる。」
「そ…っか…ごめんってば…一人は、辛いよな…」
ナルトにとっては、心の底から想い、言った言葉だったが、サスケにはそれがどうしても同情の言葉に聞こえてしまった。
「…同情、かよ…。お前なんかに孤独の気持ちが分かるかっ!!!」
つい、怒鳴ってしまった。
急にサスケに怒鳴られて、ナルトも驚きビクリと肩を揺らした。
(孤独―――――)
なら、誰よりも分かってるつもりだってば。
【呪い】の噂での差別はもう、物心ついた頃から既に始まっていたから。
孤独は、
"寂しい"
の軽い一言では表せないくらいの感情。
(サスケも…同じ"孤独"だったんだってばね…)
ごめん。
そんな過去、知らずに
勝手なこと聞いて。
ごめん。
貴方の"孤独"
知らなくて。