な
□奴隷<中>
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それから、お互い、何も言葉を交わさずに。
眠りについた。
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朝。
「おはよう。ナルト。」
「おはよってば。」
久しぶりに熟睡出来てすっきりした朝だった。
「今日は…どっか外出るか?」
「……外、…?」
サスケは気晴らしにでも、と親切で誘ってくれたのだろう。
しかし、ナルトにとって外は地獄だった。
外に出れば、
暴行に会うのは確実。
いつの間にかもう…
外は
怖い
と思うようになってしまった。
「サスケが行きたかったら好きにすれば良いってばよ?俺ってば奴隷だから言われたことに従うだけだってば…。」
悲しい目。
そんな表情を見たかったのでは無かったサスケは、急いで否定する。
「あ…、いや、そーゆーつもりで言ったんじゃねぇんだ…」
ただ…ナルトに元気になって貰いたくて。笑顔が見たかったから…。
「ううん、平気だってば。俺はお前の【奴隷】なんだからな!!!」
無理な笑顔を作っているのが、丸見えだ。
そんな…無理しなくていいのに…。寧ろ、無理、してほしくない…のに。
「サスケっ!外、行こってば!!」
「……ああ。」
これ以上……かける言葉が見付からない。
コイツは―――…
慣れすぎている。
【奴隷】という、
自分を苦しませる【職業】に。
そうだ。
そんな、苦しい生活から救ってやるんだ。
ナルトという存在を――
認めさせるんだ。