な
□夏の夕暮れ
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暑い夏。
この暑さで、
やる気も何もかも無くす。
夏はキライだ。
――――でも…
夕暮れのあの時間だけは
嫌いじゃ無い。
夏の夕暮れ
「暑ぅっーーー」
時は8月半ば。
今日も太陽は休むことなく元気に俺達を照らし続ける。
お陰で部活もろくにできない。
「おい、ナルト。サボってるな。次俺達ゲームだぞ。」
サスケが近付き、声をかけてきた。
体育館響くのはボールの跳ねる音と滑り止めをかけるスニーカーのキュっという音。
この夏休み、ナルトたちの所属するバスケ部には試合が近いということもあり、休みなんてものは無かった。
「サスケー。俺達3分前にゲームやったばかりだってばよー。」
疲れた。
休ませて。
ナルトは顔でサスケに訴えてみる。
まあ、気付いても見逃してくれないけど。
「サスケ、ナルト!!早くしろっ!始まるぞ!!」
チームのリーダーのキバが召集をかけた。
サスケとナルト以外のチームの皆は、既に集まっていた。
「そもそも俺達が他のチームより練習量多いのはもう分かってる事だろ。」
「サスケ…それってば、自慢?」
そう。俺達のチームがやけに練習量が多いのには訳があった。
それはチームのメンバー。
サスケはもともと、女子に人気あるし、勉強もスポーツも出来る。その為いつも女子たちが練習試合などみにきてギャラリーが半端無い。
キバはそれこそ勉強は出来ないが、運動は得意で、バスケをやってるときのキバはとてもカッコイイ。
シカマルは作戦派でコイツがいると、まず負けないと思う。
サイは美術部だが、
人数が足りないので入って貰っている。
そして、もてもと顔立ちも良い。
ナルトも勉強は出来ないが、スポーツは得意な方だと思ってる。
まぁ、キバには追い付けないけど。
この5人が揃いに揃っていて、毎日毎日、夏休みだというのにギャラリーが絶えない。
「…この暑い中、良く皆飽きずに来るってばね…」
「女子って面倒くせぇ生き物だよな…」
近くにいたシカマルが軽く同意してくれた。
「ま、女子いた方がやる気出るだろ♪」
キバが得意気に言った。
「…殆んどの視線はサスケか、サイか、キバか、だけどな。」
ナルトはわざと嫌味らしく、ついでに少し離れているサスケにも聞こえるように言った。
サスケはそのナルトの嫌味な視線を軽く受け流し、余裕な態度を見せた。