□夏の夕暮れ
2ページ/4ページ



「試合開始!!」

審判の声と合図の笛がなり、ジャンプボールから始まる。ジャンプボールは


勿論、試合を先制したのはキバの方だった。



そしてそのボールをサスケが受け取り、鮮やかにシュートした。


瞬間、女子たちの黄色い声。



そりゃ…かっこよかったけどさ…


なんか…ムカつく。


ナルトは自分でも不思議なくらい、ギャラリーの女子たちの声に嫉妬した。



(いつもの…事なのに…)




何故今更こんな気持ちに…?

ワケわからなかった。

でも…何だか悔しくて。
サスケは同じチームなのに敵視してしまい、
自分でも忘れるくらい、無我夢中で試合をしていた。




「おいナルト…チームプレイを乱すな…」

サスケが軽く注意した。
何時もなら軽く返すのに…その時、やけに頭にきてしまい最後まで一人、突っ走った。







「ナルト…どうした?らしくねぇぞ?」

ゲーム前半が終わり、少しの休憩に入った。


「…別に…何でも無いってば…」

「じゃ、一人で突っ走ってんじゃねぇよ。ウスラトンカチ」


他のメンバーから言われても気にして無いのに…サスケの言葉はやけに心に響く。

そして頭に血が上る。


「煩いってば!!別に勝ってんだから良いだろっ!!」


確かに勝ってるが…
もとい、これは『練習試合』なのだ。
謂わばチームプレイを深める為の試合。
一人が突っ走っても意味はない。


それはナルトも十承知済みなのだ。



「ま、気楽に…な?」

キバがナルトを怒らせないように言葉慎重に発してくれている。







そして そのまま
何も解決しないまま後半開始を知らせる
音が響いた。



ナルトがまたパスをカットして一人進もうとした瞬間―――





ぐらっ





目の前が急に暗くなった。



(何…だ…コレ…)



急に身体が重くなり、
目眩も激しく、
嘔吐感が込み上げてきた。




そしてそのまま、



意識は無くなった。






「ナルト!!」

「ナルトくん!?」




チームメイトは突然倒れたナルトに驚き、
一時試合は中断となった。






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ