□不審者
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『最近この辺りで不審者出たって。』






不審者









最近話題は『不審者』の話で持ちきられている。
それも最近、随分と危ない『不審者』がここらを彷徨いている為。
なんたってその不審者はナイフや小型銃を持っているのだ。


「聞いてよ!!私、昨日不審者見たのよ!?」

「あっ、それなら俺も見たぜ!!」

「怖ぁい」


近頃、物騒になったもんだ。男女構わず狙われ、お陰で放課後、一人で帰るのには物凄い勇気がいる程だ。


「ナルト、今日暇?じゃなくて、部活無い?」

桜色の綺麗な髪を持った少女が、金色の髪を持つ少年、ナルトに語りかける。



「サクラちゃん…?ごめんってば…今日は特に遅い日だってばよ…。」

「そう…せっかく今日、一緒に帰って貰おうと思ってたのにぃぃ…」

がっくりと肩を落とす
サクラ。

「ごめんってばよぉ…サクラちゃん!!」

慌てて言葉を出す。

「あーあーっ。誰か一緒に帰ってくれる男子いないかしら。怖いから一人で帰りたくないのよねぇ…」


サクラは語りながら教室を広く見回し、どこか暇そうな男子がいないか見ている。
そしてそのまま何処かへ消えてしまった。




「…っはぁー…」

ナルトは一人、盛大な溜め息を着いた。

不審者なんて...

女の子は守ってあげたいが、恥ずかしい話、実はナルトも怖いと思っていたのだ。


まぁ、心理的には当たり前。人間、誰だって命が惜しい物だ。



特に今日みたいに暗く遅い時間に外を歩くなんて考えただけでぞっとする物だ。


(うーん…仕方無い。ここは同じ部活のサスケに頼むか…)




あいつとはライバル視してるからなんか言いづらいし恥ずかしいけど…。


そう思いながら、まだサスケが来ていないとわかっている教室を意味もなく見回した。



恥ずかしいくて誰にも知られたくないので、ひっそりと伝えたい。




ナルトはサスケが来るのをじっくり待つことにした。





暫くすると、向こうからサスケがやってきた。
今がチャンスだと思い、サスケのもとに走っていった。




「サスケっ!!!悪いんだけど今日、一緒に帰ってくんね?」



サスケは最初、意味が分からなかったみたいで、キョトンとしていた。



「別に良いが…何でそんなこと…」






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