ビル†

□確信犯★
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ビルは時間に正確だ。

反対にアリスはちょくちょく遅刻をしてしまう。


今日も待ち合わせ時間になってもアリスは現れない。


しかし、ビルにとってアリスを待つ事は決して苦ではなかった。…これが他の人物だったらイライラしている所だが。


何故ならば。

「ビルー!ごめんなさい〜!」

待ち合わせの時間を少し過ぎてアリスが走って来た。

ビルのそばに駆け寄り、顔を真っ赤にしながら、肩で息をしつつアリスが謝る。

「ご、ごめんなさい!また遅れちゃった↓
待った…よね??ホントにごめんなさい!」

心底申し訳なさそうに上目遣いになりながらビルを見上げる。

ビルは、ふわりと笑みを浮かべ、すっと手を伸ばす。

「いえ。大して待っておりませんから大丈夫ですよ。
それより、ほら。また髪が乱れておりますよ?」

そう言ってアリスの髪を整える。

ビルの長くてスラリとした指が顔や首に触れる度に、毎回アリスはドキドキしてしまう。

それをビルに悟られないように必死に努めているのをビルはとっくに気付いており、むしろ内心では

(本当にアリスは可愛いですね。
これだからアリスを待つのはやめられませんね。)

等と考えているのをアリスは知らない。


アリスはぎくしゃくしながら

「…っ、さっ!
遅くなっちゃったね!早く行こうよ!」

「そうですね。私達のアリスが遅刻した時間分、遅くなってしまいましたからね。
のんびりしていないで参りましょうか。」

にっこりと微笑むビル。


「だから、ごめんなさいってば〜。
いつも思うのだけど本当は怒っているでしょ?!
そりゃ、遅刻しちゃったから怒られても仕方ないって分かっているけど…。」

もごもご言うアリス。

「怒る?私が?
まさか。怒ってなんかおりませんよ。
私はアリスを待つのは嫌いではありません。」

にっこりと笑顔で告げた。

「ううっ。笑顔なのが怖いよ↓
次からは気を付けるからね!」

拳をグッと握り締めて宣言するのだった。


しかし、アリスは次もまた遅刻してしまうのだが、それはまた別のお話†



*fin*
確信犯なビルであります。
アリスはいつ気付くのでしょうか…。
最後まで読んで下さって感謝です☆★


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