ビル†

□乙女心★
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アリスは15時のおやつを食べた後、よくお昼寝をしてしまう。


その間にビルは仕事を一気に片付けてしまうのだが、その日はアリスは頑張って起きていようと健気に努力していた。

だが、うつらうつら船を漕ぐ姿は危なっかしくて、ビルは気が気じゃなく、とうとう、

「アリス?横になった方が良いですよ。
ソファーから落ちそうです。」

椅子をクルリと回転させてソファーにいるアリスに向き直って声をかけた。

その声に、はっ、とアリスは身を起こしフルフルと頭を振りながら

「ダメダメ。寝ないように頑張るんだから」

「どうしてですか??とても眠そうですよ。」

首を傾げながらビルが尋ねた。
アリスは、躊躇ったがビルの無言の圧力に負けて、恥ずかしそうにうつむきながらも、モゴモゴと口を開いた。

「…だ、だって、食べた後に寝ると…ふ、太っちゃうんだもん。」

「アリスは全然、太っていませんよ。…ええ、まったく。」

ビルは意味深な微笑みを浮かべた。
アリスは真っ赤になりながら

「この前、体重、計ったら増えてたんだもん!
本当は夜たくさん寝られれば良いんだけど…」

最後は消え入りそうな声になって言った。
ビルは、

「それは困りますね」

一体、何が困るかは言わずに口許に長い指を添えて思案した。
そして、にっこりとアリスに向かって微笑みかけた。

アリスは経験から、その微笑みによからぬものを感じ取り、じり、とソファーの端へとにじり寄った。

「良い解決策がありますよ。」

「な、なにかな??」

ひきつった笑みを浮かべながらもアリスが勇気を出して聞いた。

「15時のおやつをやめま…」

ビルが言い終わる前にアリスが叫んだ。

「ダメー!!」

全身全霊で叫んだ。

「ビルのケーキをやめるなんて、そんなのダメ!絶対反対!断固拒否!!」

「…そうですか。では解決策は一つしかありませんね。」

そこで一旦、言葉を切り、ビルは椅子から立ち上がり、アリスの腰掛けているソファーに近寄った。
そして微笑みながら一言。

「運動ですよ。食べたら動く、これが一番です。
アリスが選んだのですから文句ないでしょう??」

「!!え、選んでない!!異議あり〜!」

アリスの訴えはビルの深い笑みのもと、綺麗サッパリと棄却されたのだった†



*fin*
昨日は色々な方からトキメキを頂いたので、勢いだけで書いてしまいました(汗)管理人の書くビルにはクールさがないのですよ(泣)
最後まで読んで下さって感謝です☆★


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