帽子屋†
□お茶会にての悩み★
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いつも強気な発言の多い彼が珍しく言葉を濁していた。
「その…ネムリンはどう思う?
その…昨日の…いや……あの…。イヤ!やっぱりいい!なんでもないっ!!」
「…ぼく達…の…アリスの…リク…エスト…??」
「!!!」
帽子屋の絶句が肯定を表していた。
「いやっ、別にっ、…そ、そんな事はっ!」
帽子屋はそう言いながらガチャガチャとカップを持ったり置いたりしていたが
、しばらくして
「………うん……」
蚊のなくような声で頷いた。
「深い…意…味…は…ないと…思…」
帽子屋の無駄な動きに辛抱強く付き合っていたネムリンだったが、そこまで言うのが限界でパタリ、と突っ伏してしまった。
ちようどその時、アリスがいつものように軽やかな足取りで、やって来た。
「帽子屋こんにちは!ネムリンもこんにちは!…って、寝ちゃってるね」
そう言うとアリスは持っていた箱をニコニコと差し出した。
珍しく箱の中身を言わないで差し出すのを不思議に思いながら帽子屋は受け取った。
箱の中身を覗いてみると
「…コーヒーゼリー…」
アリスは、はにかみながら
「昨日、リクエストをしてみたものの、帽子屋の所にはコーヒーがないかも、思って自分で作ってみたんだ♪」
帽子屋はそれを聞くと、意を決して、聞きたくても聞けなかった質問をした。
「アリスはっ…コ、コーヒーの方が好きなのか?!」
若干、肩で息をしながら言い切った帽子屋にアリスは事も無げに
「え?あたしコーヒー飲めないよ??」
その言葉に脱力して思わずペタリ、とへたり込んだ帽子屋を、アリスはきょとん、として見つめたのだった†
*fin*
管理人はトマトは食べられるけれど、トマトジュースは飲めない人間です。
最後まで読んで下さって感謝です☆★