チェシャ猫†
□キミの香り★
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アリスは大多数の女の子の例に洩れず、お風呂が長い。
ようやく上がって来たアリスが部屋に入った途端に、チェシャ猫がピクリ、と反応した。
「…アリス。なんだか、いい香りがするね?」
「あ、分かる?シャンプーを変えたんだ♪」
嬉しそうに髪の毛を一房つまんだ。
チェシャ猫がするり、と近寄ってくんくん、と嗅いだ。嗅ぎながら
「なんだろう…。…これはいけないね。」
驚いたのはアリスだ。
「えっ!いけない?!いい香りだと思ったんだけど。
チェシャ猫もさっき、いい香りだね、って…。」
困惑した声で尋ねた。
不意にチェシャ猫がアリスの一房の髪に口づけを落とした。
アリスはピシリ、と固まり次の瞬間にお風呂上がりだというのに更に真っ赤になりながら、
「なっ、なっ…!」
と、口をパクパクさせた。
「ほら。いい香りすぎて、猫は酔ってしまうよ?…いいのかい?」
アリスは真っ赤になりながら、無言で回れ右をしてお風呂場へと戻った。
(まだ、他の雄をアリスに近付けるわけにはいかないからね。…まだ、ね。)
チェシャ猫はにんまり顔を更に深めたのだった†
*fin*
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