チェシャ猫†
□祝福に降るものは★
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ふっ、と窓の外に目をやったアリスが歓声をあげた。
「チェシャ猫!見てみて、狐の嫁入りだよ♪」
チェシャ猫がアリスの声につられて窓辺にやって来たが、首を傾げた。
「アリス?狐なんていないよ??」
「えっとね、晴れているのに雨が降るのを“狐の嫁入り”って言うんだよ。」
「そうなのかい?」
そう言って何かを考えるかのように、チェシャ猫は黙り込んだ。
そして、
「…じゃあ、アリスの嫁入りには、花か、血の雨が降るんだね。
アリスはどっちがいいかい?」
にんまり顔のまま尋ねた。
「えっ?!そりゃ、血の雨なんて嫌だもん、花がいいよ」
とアリスが当然の答えを返した。
チェシャ猫は、その答えを聞いて、にんまり顔を深めて、
「僕もそっちがいいと思うよ」
と言った。
(アリスが他の雄を選んだら、僕が血の雨を降らせるからね)
と、口には出さないで心の中で呟いたのは、まだ内緒のお話†
*fin*
チェシャ猫は嫉妬深いだけじゃなく、実行に移しそうですから♪
最後まで読んで下さって感謝です☆★