帽子屋†
□新しいティーカップを★
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ネムリンが若干呆れた口調で言った。
「…また…ティー…カップを…買った…の??」
それを聞いた帽子屋は慌てたように、
「えっ?!うっ…いや!ほら!
この前、また陛下が食器を割ったから!べ、別に柄が可愛いから買ったってわけじゃ…!」
何気に墓穴を掘った事に本人は気付かない。
「僕ら…の…アリスが…好き…そうな…柄…だね。」
「!!いや、アリスの為なんかじゃないよ!
変な事を言うなぁ、ネムリンってば!」
帽子の下で真っ赤になっているであろう彼を見つめながらネムリンは何も言わずに眠りの世界に旅立った。
15時になってアリスがやって来た。
「お招きありがとう。はい!今日はアップルパイを焼いてみましたぁ♪」
にっこりと手土産を渡してから、自分の席に着いてすぐにアリスは感嘆の声をあげた。
「わぁ!可愛いっ!!
新しいティーカップすごい可愛いね!あたしこういう柄好きっ!」
頬を染めて両手を口元に添えてアリスが帽子屋を振り返った。
「帽子屋ありがとう〜!」
満面の笑顔を直視してしまい帽子屋は上擦った声をあげながら、
「べ、別にアリスの為なんかじゃないよ!
ただ、陛下のせいで食器が減っちゃっただけなんだからな!勘違いするなよっ!」
真っ赤になっている顔が帽子で隠れる事に感謝しながら帽子屋は言った。
「うんうん。」
と頷くが殆んど右から左、のアリスは新しいティーカップに夢中だった。
「どうしよ〜、何から最初に飲もうかな♪」
「馬鹿アリス!人の話しを最後まで聞かないなんてマナーがなってないぞ!」
アリスは小首を傾げて帽子屋に尋ねた。
「帽子屋は何から飲んだ方がいいと思う??」
「えっ…。あ…や、やっぱり、ストレートじゃないか??」
しどろもどろになりながら帽子屋が答えた。
「じゃあ、そうする♪」
ニコっ、と笑んだアリスに帽子屋はもう何も言えなくなったとか†
*fin*
新しい食器などって、ときめきますよね。
最後まで読んで下さって感謝です☆★