帽子屋†

□隠し味をお茶菓子に★
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いつものお茶会で、美味しい紅茶と幸せな気持ちになるお茶菓子を堪能しながら、アリスは素朴な質問をした。


「帽子屋は何を思いながらお菓子を作っているの??」

ピタリ、と帽子屋の手が止まった。

「な、何を思いながら…って??」

帽子屋のやや固い口調には気付かずにアリスが、笑顔で頷いた。

「そう♪帽子屋のお菓子を食べるといつも幸せな気持ちになるんだよね。
お料理には作っている人の気持ちが現れるって聞いたから。」

そこで一口紅茶をすすった。

「幸せ気分になるお菓子を作る帽子屋は何を考えているのか気になったの♪」

好奇心に瞳をキラキラさせながら、ニコリ、と無邪気な笑みを浮かべるアリス。
反対に帽子屋は帽子の下で冷や汗を流していた。

(な、何って、アリスの事を想いながら作っているに決まっているじゃないかっ!
でも、そんな恥ずかしい事言えるかぁっ!馬鹿アリス!なんて事を聞いてくるんだっ。)

結局、精一杯、平常心を装って

「…い、色々な事を考えながら作っているにきまってるじゃないか。
無知で単純なアリスとは違うんだからっ。」

その言葉にアリスは、むう、と膨れて

「失礼しちゃうなぁ。あたしだって色々と考えたりしているもん。」

と言いながら一口クッキーをつまんだ。
そして次の瞬間に幸せそうな笑みを浮かべた。

「やっぱり、食べると笑顔になるんだよね♪」


帽子屋はその言葉を聞きながらクッキーをつまみ、話がそれた事に安堵の笑みを浮かべたのだった†



*fin*
愛情は最高のスパイスですからね♪
最後まで読んで下さって感謝です☆★


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