女王様†

□ライバル★
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テラスにある椅子に腰掛けて、テーブルに頬杖をつきながら、夜空に輝く満月をぼんやりと眺めつつ女王は白兎の事を考えていた。


昼間、アリスが“月には兎が住んでいる”と話してくれたから。

「…はっきり言わせていただくけれど、あなたは大馬鹿よ。」

満月に向かって呟く。

「でも、とっても癪だけれども、…感謝も…しておりますわ。」


自分も白兎も根っこにある感情は全く同じ。

ただ、自分と白兎は背中合わせに立っていただけ。

それが、前を向いていたのか、後ろを向いていたのか…それだけしか違いはなかったのだと、最近気付いた。


確かに白兎は前を向いていたけれど、行き過ぎたかもしれないけれど、それでも、アリスを支えていたのは紛れもなく、白兎だから。
だから、感謝はしている。

「わたくしは、アリスの強さを信じる事が出来るようになったのよ。」

誇らしげに呟いた。
そして、どこまでも自分と白兎は正反対なのだと思いながら、満月に向かって

「あなたには負けっぱなしだったけれど、これだけはわたくしの勝ちですわ。」

と宣言した。

そして、満足そうに微笑むと、テラスを後にしたのだった†



*fin*
守り方は様々ありますよね。
最後まで読んで下さって感謝です☆★


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