住人達†

□話し合い★
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何やら真剣な表情で住人達が―とりあえず喧嘩をする事もなく―集まって話し合いをしていた。

「絶対、こちらに決まっておりますわ!」

「いえ、それでは可愛らしすぎますね。こちらの方がよろしいかと。」

「これ…が…いいと…思…」

「ネムリン、こっちも見てよ!」

「全く分かってないね。これがいいに決まっているよ。何か問題でもあるのかい?」


話し合いというよりは、集まった人物全員が自分の意見を主張しあっていただけだったが…。

「まったく!わたくしの意見に逆らうようでしたら、その首をはねてしまうわよ?!」

女王が叫べば、チェシャ猫が冷静に

「これで首狂いはアリスに嫌われるね。まぁ、僕には関係ないけどね。」

と突っ込みを入れる。

「真実の番人の意見は聞くべきだと思いますよ?」

やんわりとビルが主張すれば、

「ビルは堅苦しいから駄目なんだよ!」

帽子屋が噛みつく。

「…まったく。これでは埒があきませんね」

深々とビルが溜め息をついた。
そこへ、ひょっこりとアリスがやって来た。

「皆こんな所にいたんだ。集まって何をしているの??」

「まぁぁ!なんて素敵なの!ちょうど良かったわ。アリスに見てもらいましょう!」

女王は駆け寄ってアリスの手を引っ張った。

「え?何を見るの??」

きょとん、としながら引きずられるようにアリスがやって来た。

「アリスはどれがいいと思う??やっぱりこれよね?」

そう言いながら女王はテーブルに広げられている物の中からひとつ取り上げてアリスに見せた。

「…これって…水着…?」

「針ネズミがアリスの為にたくさん作ったんだよ。」

にんまりとチェシャ猫が告げた。

「アリスはどれが良いと思いますか?なかなか意見が一致しなくて困っておりました。」

「絶っ対、これだよな!」

全員がそれぞれに、自分の推していた水着を手にアリスに詰め寄る。
アリスはこわばった表情で後退りながら、

「…ちょっと待って。こっちにプールなんてないから…泳ぐとしたら…」

「海に決まっているだろう!アリスってば、全く無知なんだから!」

帽子屋が言い終わるか終わらないかの内に、

「絶っ対にイヤぁぁ!!」

とアリスが叫んだ。

「どうして?綺麗な赤い海なのに。」

女王が愛らしく首を傾げた。

「イヤったらイヤ→!」

アリスは脱兎の如く駆け出した。

それからアリスはしばらくの間、水着を持った住人に追い掛け回される羽目になったとか†



*fin*
段々と話が逸れてしまって収拾がつかなくなってしまいました↓(泣)ごめんなさい。
最後まで読んで下さって感謝です☆★


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