住人達†

□いつの日か★
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今でも彼女に会う度に、なんとも言えない気持ちになる。

羨望、憧憬、幸福、救済、郷愁、畏怖、感傷、そして深い感謝。
どれも当てはまるようで、どれも違うような…。
そして、純粋に“出会えて良かった”という気持ち。

「…また、あんぱん達の話を聞いてやってたのかよ」

口調に若干、呆れた表情を滲ませて。

「うっ…、いや、ほら、あたしも、あんみつ好きだし…なんというか、ねぇ!」

ゴニョゴニョ言いながら最後は笑顔で押し切った。
しかし彼はうやむやに誤魔化されるような事はなく冷静に返した。

「“ねぇ”なんだよ。」

「うっ…つ、つまり話し合いっていうか論争は大事だって事よ!」

アリスの最もらしい断言を受け、彼は笑顔で尋ねた。

「そうだな、確かに論争は大事だな。アリスの言う通りだよ。
で、結論はどうだったんだ?」

「……」

「……」

「…は、廃棄くんのイジワルっ!!」

不意にアリスが真っ赤になって叫んだ。

「はっ?!」

言われた本人は驚いた表情を浮かべた。

「あんぱん達の論争に結論が出る事ないの知ってて、そんな事聞いてきてるでしょ?!酷いよ!イジワルだよ!」

「い、いや、アリスっ、ちょっと落ち着けよ、違うっての!」

慌てて口を開いた。

「何よ!」

きっ、と見返すアリスにタジタジになりながら、

「た、確かにあんぱん達の論争に決着がついた事がないよ。今まではな。
だけど常に変わらないものなんて…ないんだよ。」

じっと見つめてくるアリスに軽く笑みを向けた。

「それは俺が一番よく知ってるって、アリスも知ってるだろ?」

固かったアリスの表情がふわり、と柔らかくなった。

「…うん。そうだったね。」

ニコっと笑みを浮かべて

「やっぱり廃棄くんはイイこと言うなぁ♪
ごめんね?イジワルされているのかと思ったよ。」

「なっ!猫やビルじゃねぇ!!」

そう叫ぶと、その背に

「…僕がなんだって?」

「心外ですね。」

と、声がかかった。

「!!!」

声にならない悲鳴が上がった。
振り返った先に笑顔で佇む珍しい組み合わせの2人。

(め、目が笑ってねぇ!!)

その後、彼がどうなったかは、また別のお話†



*fin*
とうとう書いてしまいました(笑)廃棄くん好きですよ♪
最後まで読んで下さって感謝です☆★


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