再録†
□エピソード2★
1ページ/1ページ
しょんぼりとしながら、アリスが言った。
「ごめんなさい…今日こそは遅刻しない!って決めていたんだけどな…」
ビルは首を傾げながら
「そうですねぇ。私は気にしませんが、そんなに気にするのならば、1つアドバイスを差し上げましょうか?」
と、言った。
アリスは、ぱぁっと表情を明るくして尋ねた。
「なになに?どんなアドバイス??」
ビルはニッコリと笑みを浮かべて言った。
「簡単な事です。
待ち合わせをするから遅刻をしてしまうのでしょう?ならば、待ち合わせをしなければ良いのです」
アリスは“わけが分からない”といった表情で首を傾げながら聞いた。
「待ち合わせをしなかったら出掛けられないよ?」
「いえ。前日から家に泊まって共に家を出れば、遅刻しなくて済みますし、出掛けられます」
あまりにもビルが平然と言い放った為に、アリスは一瞬、何を言われたのか理解が出来なかったが、理解した瞬間にみるみる真っ赤になって叫んだ。
「ぜ、全然アドバイスになってないじゃない!」
「これが双方にとって一番だと思いますよ?」
そう言ってビルは心からの笑みを浮かべたのだった†