NOVEL

□空言の無い世界
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「好き、」
「うん」
「大好き」
「うん」
「‥愛してる」
「…うん」

情事後貴方は何度も何度も繰り返す(あぁ、私愛されてる)
硝子を扱うように優しく、何度もキスをする
どうしてこんなにも愛しいの

「‥ベル」

名前だけでも愛しくてしょうがない
そんな貴方は目の前にいる

「‥んっ」

触れるだけでは飽き足りないのか
深くて、子供の頃のとは全く違う
透明な糸が繋いで切れた

「…どーしたん?」

その後も貴方の舌は首筋を這って
赤い痕を付けた(さっき散々付けたくせに!)

「ねー」
「ん?」

甘えるような声
例えるなら彼は猫だ

「もっかいシよ?」
「‥は?」

何を言い出すのだこの我が儘王子は
あーもぅ頼むから耳元で囁かないで!

「うしし、冗談
柘榴疲れてるもんね」
「…あ、うん」

冗談か、良かった

「王子明日オフでも柘榴は家事があるし」

わかってるじゃないか
でも、10年でこんなにも違うんだなぁ
当の本人は隣で横たわり、うしし王子おっとなー等言っている
前言撤回やっぱり変わってない

「ね、柘榴ー」
「何?」
「明日暇だしどっか行かない?」

だから家事があると言った、ん?言った?
いや、言ってないけど言ったじゃん!(矛盾?気にしない気にしない)
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