NOVEL

□狂狂狂、包う
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多分私は彼女を抱き枕か何かだと勘違いしているではなかろうか、否それはない

「痛いよ、ランスさん」

そんなに強く抱きしめていたのだろうか、気付けは私は彼女の白い肌に爪を立てていた。嗚呼これでは痛いのも当然だ

「すみません、」

そんなことは思っていない、なぜなら彼女は私のものだからだ。爪を立てる、それだけならまだしも私は引っ掻いた、いや刔ったと言った方が正しいか。皮を剥ぎ、赤い液体と身を眺めて恍惚

「ランスさん、」
「どうしました?」
「痛い、です」

敬語になった、本当に痛いの合図だ。やめて欲しいのか、だが彼女の顔は痛いとは言うがやめてとは書いてなかった。だからもっと深く刔った、愛しているのだ。出来ることなら骨の髄まで愛してやりたいと思う。しかし私は人間でちゃんと理性くらい持ち合わせている。己の欲望だってある程度は我慢出来る‥いや、寧ろ私は結構理性的な人間なのではなか、嗚呼いや、それはないか。それだと私が今彼女にしている行為は一体何なのだ

「愛してます」
「嘘吐き」

真っ直ぐ真っ直ぐ、壁に向かって放った言葉。彼女もきっとそうだろう、私の事なんて見ようともしない。別に苛立だしいなんて思わない、だって彼女は私が愛しくて止まないのだからだ。それは揺るぎない事実であり私はそれを利用しているのだ

「私は狂ってます」
「嘘」

間髪入れずに突き出された言葉に目を見開いた。いつの間にか私の手は力無くしな垂れ彼女に肩を捕まれもう一度吐き出される嫌な音、

「嘘」





狂狂狂、包う
(フリをしてるだけでしょう?)



構ってちゃんなランスとそんなランスが愛しいナコを愛しくて仕方ないランスで何かそんな無限ループで共依存的なランナコ。

100310 蒼木 ゆう

 

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