glamourous love

□glamourous kiss
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〜美希SIDE〜



 「おはよ〜っ」

 「美希美希ミッキーィッ!! ねぇ聞いた〜ぁっ!!」


 教室に入るなり、奈々が焦って飛んできた。


 「転校生来るんだってぇっ!!」


 てっ転校生……?


 「職員室にいるんだって〜ぇっ。三年何組かなぁ」

 「嘘ぉ」


 高校に転校生ってありえなくない?

 しかも新学年が始まって三日経ったよ?


 「マジだって!!」


 ほっぺが真っ赤、息が荒い奈々は拳を身体に引き寄せたり離したりしながら真剣に訴える。

 興奮したときのクセだ。


 「どんな人なの?」

 「分かんないっ。だけどだけど〜ぉっ、白ベンツ、見た人いるんだよね」


 白ベンツ……?

 ナニソレ。

 東京まで車で約二時間。

 田んぼと山とが共存した、ちょこっと田舎の私立高校に白ベンツが何の用??


「お金持ちっぽくナイ??」


 浜崎あゆみも顔負けの大きな目をクリクリさせる奈々。

 お金持ちぃっ!!

 玉の輿……うわ、マジ魅力的〜っ。

 だけど、


 「ベンツの人が転校生とは限ん」

 「限る!! 奈々が断言するよっ!!」


 何を根拠に……


 「王子様よ王子様。白ベンツに乗った王子様に会えるのよ〜ぉっ」

 「奈々〜ぁ」


 乙女の国に飛んでった奈々の前で手をヒラヒラやったけど、戻ってくる気配ナシ。

 気持ちは分かる。

 けど、お金持ちのオボッチャマが私らなんかに靡くわけないんだから。


 「ちょい退いて?」


 ドキッとして振り返ったら鼻の下に拳を当てた星哉が教室のすぐ外に立っていた。


 「ゴメンねっ」


 私が言ったら拳はスッと退けられる。

 細められた両目は微笑んだ証拠。
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