短編小説
□羽
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一人の天使の女の子がいました。
彼女はとてもきれいな白い羽をもっていました。
だけどその羽をいくら動かしても飛ぶことができません。
彼女は毎日町はずれの小高い丘まで出かけて飛ぶ練習をします。
坂を走り下りながら羽を動かしたり、ジャンプしてみたりします。
でも、何回やっても飛べません。
彼女と同じぐらいの年の天使たちはもう自分の羽で自由に空を飛べます。
彼女はそれを見上げることしかできません。
でも、彼女の羽は誰よりもきれいで、それは彼女の自慢でした。
次の日もその次の日も彼女は羽を動かしました。
次こそは…次こそは…。
でも、やっぱり飛べません。
彼女はとうとう泣き出してしまいました。