詩
□廊下
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どこまでも続く長い廊下を歩いていた
廊下だからどこかへ着くはずなのにどこにも着かない
わたり廊下
周りには何もない
ただ壁があるだけ
わかれ道も
ドアも
窓もない
光が入ってこないし、光源もないのに明るい
そのまま歩いて行って
ふと気付いたら
自分が消えていそうだ
どこにも着かない
ただ何も考えずに歩いていたのに
それがだんだん怖くなる
怖いと思ったら
着きたいと思った
初めてこの廊下を歩く目的ができた
その瞬間
目の前にドアが現れた
着きたいと思わないと現れないドア
着きたいと思いさえすればいいのだ
そうすれば
いつだってドアは現れる