死神帳

□【標的発見】
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たとえ
それが肉親であろうと
他人であろうと
分け隔て無く任務を熟す。





【標的発見】



「…………!!」


ピクッと鼻が動く。
死神には鋭い五感が備わっていて、セリの場合は特に『嗅覚』が優れていた。

「来たな……」




セリは鎌を肩に担ぎ、宙を駆け出した。
普通の人間が見れば軽く失神するであろうが、生憎死神の姿は普通の人間には確認出来ない様になっている。
死神の姿が見れるのは『異端』と同じ種族の死神だけだ。


匂いがピークに達した所には一人の少女が佇んで居た。
容姿からしておよそ15〜16歳くらい。
その髪は日本では有り得ない真緑で、肌は色を失くしもはや白と言っても過言では無い。
それは動脈、静脈を綺麗に浮き出して筋肉の筋すらも見えそうであった。
その少女は何をするでも無く、ただ行き交う人々の群れを見つめていた。




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