死神帳

□【疎外感】
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そう、貴女は何一つ悪くない。
悪いのは『運命』

でもそれからは
逃れられないのよ。




【疎外感】




私の産まれた家は、そこそこ裕福で平和に暮らしていた。

『私が産まれる前までは』


両親共々日本人で、血縁者も全員日本人。
そんな中で私は生まれてしまった。
生まれながらに鈍く輝く真緑の髪を持ち、瞳の色は透き通った金。
瞳孔は縦長。
生まれた私を見て父が最初に言った言葉は

『化け物』


母は私を見て失神した。
お産に駆け付けた親戚達は蔑みの目で私と両親を見た。


それでも、世間体を1番に気にする父は私を捨てる事は出来なかった。
しかし、この容姿だ。
私が外に出る事は許さなかった。
成長しても外には出られず、家では日々殴られ、暴言を吐かれた。
食事は1日1回で野菜も何も浮かんで居ないスープを与えられていた。


その時の私は鏡さえ見せてもらえず、何故自分がこんな状況に置かれなければならないのか分からなかった。



外に出たかった。




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