死神帳

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世の中は不条理な物。
神は全能だから故に

失敗作を作ったの。




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「お前の周りの奴等は間違ってなんかねぇーよ。死ぬ必要なんざ微塵もねぇ」


セリは少女を見下ろしながら最後に言い放った。
「お前は『異端』だ。だから此処じゃ『異質』なんだよ」

「……何よそれ…まるで、私が化け物、みたいな…言い方じゃ…ない」
「あぁ、そうだ。お前は化け物だ、………少なくとも此処ではだがな」



男は懐から黒い手帳を取り出し、ページをめくった。
その手帳はシンプルだが、所々が金で装飾されており見事な物だった。
少女は暫くその手帳を見つめていたが男の発する声により現実へと引き戻された。

少女からは見えないが、真っ白い手帳のページからはジワリとインクが内側から滲み出て来ていた。
それはじわじわと形を調え、文字へと変化して行く。
文字と言ってもそれは『この世界』では有り得ない形をしていて、死神にしか読めない物だ。

そして、それを男は読み上げた。


「魚崎可憐……我、死神『セリ』の名においてそやつの魂を世界へと返さん」




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