NIGHTMARE
□*foolish girl*
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*foolish girl*
世の中は理不尽だ。
何もかも上手くいかない。
今の私には何が残されるのだろう。
「また点数が…」「ちゃんとしなさい」「もっと成績を上げろ」「お兄ちゃんは出来てた」「あんたは愚図ね」「お前みたいな出来損ないは要らない」
ぽつり、雨が顔にかかる。
ブランコがキィと音をたてて揺れた。
じわじわと制服の濡れる感触が気持ち悪い。だけど、行く宛も無い。
どうして私だけ?
「こんな所で何をしてるんですか?」
ポツリ、雨が傘にかかる音がして、上を見れば人が居た。
青い人。
群青色を更に濃くしたような髪に、海の色の瞳。
黒いスーツに黒いネクタイ。
「……誰?」
「特に誰でもありません」
「…意味分かんない」
「構いません」
会話にならない会話。
まともに人と喋ったのはいつぶりだろう。
最近は声すら出して無かったから声が掠れていた。
「こんな所で雨に打たれてるだけなら、私の店へどうぞ」
怪しい。
けど、今の私にはどうでも良かった。
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