+荊罰+

□...*第1章*...
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*零話*



都会の外れの、またその外れ。
其所にそれは有った。
空は晴々とし、今にも小鳥のさえずりが聞こえてきそうだ。
しかし、此処では全くと言って良い程外界の音がしない。

そんな一見喫茶店にも見えなくもない店に男が一人、カウンターを拭いていた。


彼【水無月 光】と言い、この店の店主をしている。




カランコロン……
軽快な音の発信源の出入口を見やれば、一人の少年が両手いっぱいに買物袋を手にして立っていた。

「あぁ、お帰り」
「た、ただいまです…」

少年の名は【佐伯 憂】
諸事情で此処に住み込みで働いている。そして光に日々こき使われている。

「いつも有難うね」
「いや…、そ、思うなら何か…一つ、…持って下さいッ…よ!!」


ヨロヨロと今にも倒れそうになりながらも何とか憂はカウンターまで買物袋達を運ぶ。
光といえば、それを愉快そうに見ているだけで手伝う気は更々無い様だ。




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