+荊罰+
□...*第2章*...
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*壱話*
それは昔のお話。
「お母さん、アレなにぃ?」
「またこの子は……、何も居ないでしょ」
「いるーっ!!本当にあそこにいるのーっ!!」
小さな男の子が部屋の隅を指差しジタバタしていたが、母親は気にせず皿洗いを続ける。
最近、いつもだ。
何も無い所を指差しては騒ぐ。
幼少期によくある構ってほしいのアピールなのだろう。
「ねぇねぇ、お母さんこの子泣いてるよ」
「あらそう、なんで?」
「こえは聞こえないんだよ、わかんない」
「へぇそうなの」
両親も周りの人さえ気にしなかった言葉。
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