+荊罰+

□...*第2章*...
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そしてそれはやってきた。


家族旅行の日だった。
その男の子はまた大騒ぎした。

「だめぇぇぇっ!!!!」
「何言ってるの、早く準備しなさい!!」
「行かないっ!!行っちゃだめなのっ!!!!」
「いい加減にしなさい!!」


ぶたれる男の子。
騒ぐ声は泣き叫ぶ声へと更に進化してしまった。
何故、今日に限って……。
仕方無く母親は嫌々と騒ぐ男の子、息子を無理矢理車の後部座席へつめこんだ。

「おいおい、大丈夫かよ」
「分かんないわ…でもきっと現地に着けば落ち着くでしょ」
「そうだな」


息子の意見は通らず、車は行楽地へと出発した。
車が動き出すと息子は啜り泣きをしていた。落ち着いたのだろうと母親は考えた。
……実際は違ったのだが。

「お父さん、お母さん」


車はだいぶ進み山道に差し掛かった所だった。
息子はまだ泣いていた。
諦めたのだろうか、それでも伝うように涙は零れていた。

「なぁに?まだ泣いてるの?」
「お母さん、バイバイ」
「何言ってるんだ、憂?」
「お父さんもバイバイ」





そして車は崖から墜ちた。





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