+荊罰+
□...*第4章*...
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*零話*
平和。
葬儀屋はトランプの彼女の一件以来なんの音沙汰もなく、アレも出てこない。
「…平和、ですね」
「それが1番だよ」
「まぁ、そうですね」
憂はボーっと窓の外を見詰めていた。
ふとこの辺りでは見慣れない小鳥が木にとまって鳴いていた。
なんとなく憂は外に出てその小鳥を観察しに行った。
「綺麗な鳴き声ですね」
チチチっと返事の様な鳴き声。
その羽は太陽を反射して美しい蒼色で、まるでおとぎ話に出てくる青い鳥のようだった。
憂がふざけて手をのばしても逃げない。
それどころか憂の手先にとまってしまった。
「…随分人馴れしてるみたいですけど……飼い主は?」
「居ないよ、逃げてきたから」
光さんの能力を借りて小鳥と話す。この程度能力を使っても多分問題ないだろう(光さんに怒られない)と思う。
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