お伽噺

□朝日を浴びて
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私は、恋をしました

けれど、声に出しても
貴方には届かないのです。


好きと言いました

うん


それだけの答えしか
聞けません


大切な人だと伝えました


うん

私は、貴方にとって大切な人では、ないのですね


人魚姫……

美しい歌声を
何を望んで、蕀に変えたの?


私は、貴女の様に美しい歌声は無いけれど
足はある


けれど、この声も
届かない

この足で
貴方に触れる位置に立っても
貴方に触れる事が出来ない


ねぇ、朝日を浴びて
泡となると知っていて

名前も伝えることが
出来ないのをわかっていて

王子さまの側に居たかったの?
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