恋3題

□…顔熱い
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卒業後の進路。
野球をしていた頃には遠くにあると思っていたそれは、もう目の前に迫っている。
三橋はそう遠からず訪れるであろう別れを思い、心を重くしていた。

引退した三橋たち3年生は、ほとんどの人間が大学進学を希望していた。
そして何らかの形で、野球を続ける。
受験となると、問題が発生するのは三橋と田島だ。
試験の度に部員たちによる補習授業で何とか切り抜けてきた低空飛行の成績。
だがその同志・田島はプロ野球に照準を絞ってしまった。
1人取り残された気分の三橋は、それでも懸命に進路を模索した。
自分の成績で入れる大学、もしくは就職。
とにかくまだ野球は続けたい。

そんな時に、三橋は大学野球の強豪校から推薦入学の誘いを受けた。
まともに受験したら、入学など到底かなわない名門大学だ。
夢のようないい話だった。
期待に答えられるのかと思うと不安になるが、評価されたことは嬉しい。
だが進路に具体的な大学名が挙がったことで。
チームメイト、そして阿部との別れを意識せざるを得ない。
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