ヒルセナ10題

□21番の重さ
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絶対に抜くんだ!と勢い込んで思いっきり突っ込んだつもりだったのに。
僕の全力はごついLBにあっさりと阻まれ、フィールドの外に吹っ飛ばされた。
そして僕のチームは1ポゼッション差で破れた。

僕は小学生の頃、たまたまクリスマスボウルの試合を見た。
帝黒アレキサンダース対泥門デビルバッツ。両方ともエースは21番。
特に泥門のアイシールド21を見ていて胸が熱くなった。
小さい身体で負けていても最後まで諦めない闘志。
僕は彼に導かれるようにしてアメフトを始めた。
そして念願の泥門高校に入学し、デビルバッツのメンバーに加わった。
希望のポジションはもちろんRBだ。

でも現実は甘くない。現在アメフト部の部員は120名。
まず試合に出ることが大変なのだ。
今日は秋大会のメンバー選抜を兼ねたテストマッチ。
でも負けた。身体が小さい僕はどうしても当たり負けしてしまうのだ。
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