筧水5題

□プールにいこう
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「わぁ!」
セナは叫び声を上げて、跳ね起きた。
隣のベットに寝ていた水町も身体を起こして、心配そうな表情でセナを見ていた。

ここは炎馬大学の学生寮。
セナは大学入学とともに入寮した。
大学は自宅からだって、決して通えない距離ではない。
だが大学に近い寮の方が、学校からも練習グラウンドからもはるかに近い。
つまり通学時間が少なくてすむのだ。
ライスボウルを目指し、少しでも練習時間が欲しいセナは迷わず寮生活を選択した。

同じ理由で学生寮を選択する運動部員は多い。
部活などしていない生徒は、楽な自宅通学や気軽な1人暮らしを選ぶ。
だが寮は1人暮らしよりも安い寮費、そして食事もついている。
多くの時間を練習時間に使いたい学生にとっては、ありがたい制度だ。

2人1部屋の寮で、セナのルームメイトは水町だ。
ちなみにモン太は陸と同室だし、栗田と雲水も同じ部屋だ。
基本的には同じ部の生徒は、同じ部屋になるのが通例のようだ。
特に希望したわけではないがそんな部屋割りになっており、特に誰も不満を感じていない。
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