心の風

□壊れた身体
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バイトを初めて9ヶ月がたった
もう一人でなんでもできる
そんな時リーダーが辞めることになった
店長はあとのリーダーに遊麻を指名した
無理だと言うのに強制的にやらされることになった
他のベテランも何人か辞めてしまった
1番古いのは遊麻になった

人数が足りないシフトがまわらない状態で、いるのはまだ一人ではできないメンバーばかり、シフトを回す為に人はいれてくれるが覚えるまで三ヶ月はかかる
派遣も使った
ある日は新人一ヶ月の女の子と今日初めての人二人経験はない
教えられるのは遊麻だけ
人数はシフトは回るが教えながら遊麻は自分の仕事もこなす
その日は一人で三人分の仕事をこなした
しかも12時間休憩なんかいけない
接客とパンを作る仕事、緊張はずっと続く失敗は許されない

やり遂げ売上も落ちなかったから店長には褒められたがそれがまずかった
この後もっと悲惨になっていった

新人の二人は一人でできるようになったが後から入ってきた人はあまりのきつさに辞めていく
残ったのは三人になった
一日に必要な人数は最低で四人いる
これなら休憩にいける
休みもあるからシフトをうまく回すには七人は必要だ
それが三人しかいない
休みは二日確保したいからと
一人休みにすると残りは二人
朝から12時間二人だけでやることになった
レジ、釜、成形を休みなくこなしていく
食事は夕方ようやく客が切れる時に立ち食いで食べた
他の部署は誰もできないから手伝えない
しばらく過酷な勤務は続いた

人も入り落ち着いてきた頃
閉店した後にリーダー会議をやるようになる
まだバイトであったが社員にまじり参加する
社員教育も受けさせられた

遊麻は主婦である
家事を優先したいが職場にいる時間が一日で14時間もいる
主人は弱音を吐かず頑張る遊麻の力になってくれた

2003年5月
遊麻は他の部署の仕事もできるようになっていてたまにヘルプに行く
珍しく5時間の勤務で早く帰れる時があった
その日はお腹が空かない疲れているのかなぁと思い
早く帰れるならとたまには外食するかと主人と約束していた
帰宅し約束の時間になりバスで主人の会社に向かいお店に行った

席に座り注文をした
遊麻は血の気が引いていき気分が悪くなりトイレに行ったが
そのまま気を失った
意識は5分位で戻ったが洗面所で体がつっぱり動かなくなった

入ってきた女性がおかしい遊麻に気がつき店内に主人を声をかけた
主人はあまりに遅いからトイレの前にちょうどきていた

顔は真っ青でそのまま帰宅することになった
車で帰宅途中遊麻の呼吸に異変がでた
その場で救急車を呼び救急病院に運ばれた

処置をうけ貧血だろうし呼吸は過呼吸だから点滴をし落ち着いたら帰宅していいよと言われた直後
遊麻は大量に吐血した

体に管を付けられまくる、胃カメラ、そのまま入院になった
血圧は下がる一方、輸血準備をした
胃カメラをするが吐血した原因が見つからない
ICUに入り絶対安静
翌日吐血が治まるまで続いた
昼過ぎに管もはずれ一般病棟に移った
二日後に再検査をするからと言われ24時間点滴を開始した

仕事は休まないとならないが電話ができない
主人に頼んだが
店長に怒鳴った
遊麻にだけ過酷な勤務をさせていて責任もとらせる
店長は驚き半ベソをかいたらしい
二日前に遊麻ときついからなんとかしてくれとこのままじゃ倒れると話していた
店長は簡単に人間は壊れないから平気だと言っていた
それがこれだ

月曜日再び検査をした
見つからなかった吐血の原因
大量に吐血したのにない
何故?と焦る医者
他の医者もくる
かなり長い時間胃カメラが入っていた
遊麻は涙目になって耐えた
喉の麻酔半分効いてなくて管があたるのわかるんだよねQ

あったー
潰瘍がみつかった
普通ならありえない場所にできていたらしい
痛みもなく不思議に思っていたんだが食べ物が通らない上部
で診断は胃潰瘍

そのまま後10日入院してね
と言われたが
嫌だと言った
実は隣のベットのおばあちゃんが認知症で一日中ぶつぶつ同じ言葉を言っている
狭い部屋の中で枕はまじくっついているからカーテンをあければすぐ隣
冗談じゃない
このままいたら休めない酷くなると退院を強く希望した
自宅で安静にできるならと薬を大量にもらい退院した

が仕事は休んでいられないから
翌週の月曜日に復帰した

復活はしたけど貧血は酷く目眩がする情緒不安になってしまう
退院後初の診察で精神安定剤が追加になった
 

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