Princess Oath
□Act1 part1 白魔法国の姫君
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王宮のある日の昼下がり
一人の少年が廊下を歩いていた。
少年はある部屋の前で立ち止まると、両手で持っていた盆を片手に持ち直した。
「姫様。」
コンコンと軽くドアをノックする少年。
「姫様、少し休憩にしましょう。おいしいミルクティーを持ってまいりましたので」
しかし、返答はない。
「…えーと、姫様。聞こえていますか?」
コンコンと2回目のノックをしてみるが、やはり返答がない。
ドアの前で立っている少年は、部屋の中の気配を探ってみた。
「……まさか…」
嫌な予感がしたのか、少年は空いている方の手でドアノブを掴んだ。
「姫様、入りますよ?」
ガチャッと少年は扉を開ける。
すると、少年の目に入ってきたのは―――
「――――――――あ」
そこには誰も居なくて、窓が1つ開いていたのだった。