Princess Oath
□発見と遭遇
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「姉様、本当に1人で大丈夫かな?」
麗音に教えてもらった広場へ向かいつつ、優音が心配そうに呟いた。
「心配ないよ、優音」
そう言葉を発したのは晃夜。
優音は隣で走っている晃夜に顔を向ける。
「麗音姫様は準白魔女です」
優音に晃夜は安心させるように優しく言った。
準白魔女とは、優音達兄妹の母、マリアのような大白魔女に次ぐ魔力をあわせ持つ白魔法国の魔女。
そんなスゴイ彼女がそう簡単にやられるわけがない。
「それに麗音姫様には、強い騎士もいますから」
麗音の騎士、それは雪斗の事である。
彼もまた準白魔法使いで、それ相応の実力の持ち主だ。
「だから優音、心配しなくても大丈夫ですよ。きっと」
「うん」
そうよ。
あの2人は大丈夫。
姉様も私を行かせてくれたんだ。
だから私は、私のすべきこと。
早く華ちゃんを見つけなければ!!
夜闇の中、瓦礫を避けながら広場を目指し、2人は駆け抜けていく。