作品置き場2

□Bどんなにこの手を伸ばしても
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「どんなに手を伸ばしても届かないかぁ」
冬獅郎は自室のベットに横になり、天井を見て上に手を伸ばす
天井はすぐ近くにある気がするのに、実際は距離がある

「手を伸ばせば届く距離なのにな」

俺がどうしても掴みたいものは手をどんなに伸ばしても血の絆によって阻まれてしまうんだ



「シロちゃん!!」

下で俺を呼ぶ声がする
そう、俺が掴みたくて手を伸ばしているのに手に入らないひと

「なんだよ、桃」
そうしたら下から、もう桃じゃなくてお姉ちゃんでしょと怒る声がする

「今日はお買い物付き合ってくれるって約束したのに・・・」

そう言って頬をふくらます桃がとっても可愛い
「悪かったから」

謝りの時でさえ、俺の瞳にうつるのは桃一人

周りの景色やすれ違っていく人さえも俺の瞳にはうつらない


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