作品置き場2

□Jいつも隣に君がいた
2ページ/3ページ







幼き日から見詰めた横顔…



己の手で護りたいと願うようになったのはいつからだろう…
















「あっちの方向かな?」





風になびく髪を手で押さえながら、雛森の見詰める景色。


同じ景色を映そうと視線を向ける日番谷。




「…あっち…?なんだ?」


「日番谷くんと出逢った場所!あっちじゃなかった?」


「…あぁ…」


「よかった、合ってた!」




時折見せる無邪気な笑顔は、昔を思い出してる証。


嬉しそうに話しをする彼女に自然と頬が緩む。


感情を表にだすのが苦手な俺だけど…









本当はいつも感謝してるんだ…


















あの日…俺に手を差し伸べてくれてありがとう…



いつも…俺に笑顔を向けてくれてありがとう…



いつも…俺に優しい言葉をくれてありがとう…



いつも…俺の傍にいてくれてありがとう…



彼女が隣にいるだけで、自然と笑える自分がいて…



彼女が隣にいるだけで、幸せだと感じる自分がいる…





この想いをもし伝えれば、視界に映る彼女のことだ…



俺の隣にいなければいけないと…



俺の傍から離れてはいけないと…



俺の想いに応えなければいけないと…



そう感じてしまうだろう…





幼き日から隣で一緒に過ごした時間…


その時間…想い募らせてきたのは俺であって、彼女ではない…



誰より他人が傷つくのを恐れる彼女…


誰より心優しい彼女…



己の手で護ると誓った彼女を、俺自身が困らせるなんてあってはならない…



だから…この想いは…



彼女に伝えず…俺の胸の中だけで…
















そう思えば耳を擽るのは柔らかな音色。



.

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ