謎解きはバレーのあとで!?

□ Story4 “こころはひとつ”でございますゆえ
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「お嬢様、 お嬢様…」



『…ん? よね…や…ま?』



「 お嬢様、朝でございます。起きてくださいませ。」



「うぅ…ん。もうちょっと…」



「いけません、お嬢様。お仕事に遅刻なさいます。」



『……?? よね…やま?   !!!!』



ガバッ!!



「よ…米山!? いっ…いったい、こ…ここで、何をしているの!?」



「当然ながら、お嬢様を起こしにまいったのでございます。」



「はぁぁぁぁぁぁぁぁ? この私の寝室に勝手に入っていいと思ってるの!?」



「固い信頼関係で結ばれてる執事は、主の部屋にノックなしで入るのは常識でございます。」



「アナタ、まさか、それって…」



「はい、本家の○山さまが、第4話でおっしゃっておりましたセリフにございます。」



「やっぱりね……。」








「しかしながら、お嬢様。 昨晩、お嬢様自らが、『米山のあの癒されスマイルで、朝起こしてほしぃ〜。』とご所望になったのでございますよ。」



「はぁ? そんなわけないじゃないっ!!」





『いや…、ちょっとまって…。昨晩?? ……。 そうだ…!米山にキスされたショックでやけワインを…  !!!! 記憶が……、ない……orz 』





「そっ…、そんなの… 冗談にきまってるでしょ!? ほ…本気にするなんて、どうかしてるわ!!」



「冗談…でございますか?」



「そ…そうよっ!! 『う〜け〜るぅ〜』とか言って受け流しなさいよ!」



「『う〜け〜るぅ〜』で、ございますか…。」










「お嬢様、お茶が入りました。」



「ありがとう。 ところで、米山。」



「はい、お嬢様。」



「昨日のアメリカ戦、どうだったの? 確か…、北京オリンピック金メダルの強豪よね?やっぱり強かった?」



「その前にお嬢様。結果をご存じのわりには、お顔が喜びに満ち溢れておりますが。」



「はっ…、はぁ?そんなわけないでしょ!?」



「いいえ。『3戦ぶりの福澤くん、超〜かっこよかった!』とおカオに書いてございます。」



「え…?」



「お嬢様のことですから、『ウエタ!!どうせ負けるなら、イケメンもっとそろえなさいよ!』とか、思ってらっしゃるのでございましょう。」



「ち…ちがうわよっ! でっ!どうだったのよっ!!」



「残念ながら、完敗でございました。37-39までもつれた1セット目をとれなかったことも大きいですが、私が出場した2セット目以降にも、流れを変えられませんでした。」



「まぁ…、だけど…米山の働きは、なかなかだったと思うわよ。」



「ありがとうございます。しかし、せっかくの褒め言葉も、バレー音痴のお嬢様のお言葉となれば、大変ビミョーではございますが。」



「なんですって!? 褒めたら褒めたで… 







「ホ〜ント残念だったわね〜。金メダルチームに勝てたら、アナタとデートしてあげてもいいと思ってたのにぃ〜。」



「はっ!?/////」



「まぁ!米山ったら、アカくなっちゃって〜。 冗談よ!冗談。今のカオ! 『う〜け〜るぅ〜』」



「!!











「そうそう、そのイケメンに厳しいウエタ監督なんだけど。」



「は…、はぁ…。」



「私、かなりの言語を学んできたつもりなのだけれど、あの方が、タイムアウトの時に話される言葉だけは、どうしても理解できないの。」



「ぶっ!!!」



「よ…、米山!?」



「し…、失礼いたしました。あまりにも的を射た…いや、突拍子もないお話だったもので。」



「そうかしら? ねぇ、米山。あの方は、いったい何語をはなしてらっしゃるの?」



「お嬢様。 大変残念ながら、あれは、“日本語”でございます。」



「日本語!? まさか…」



「テンションマックスな上に、カミカミでございますゆえ…」



「あの方…、なんとなく風祭警部と同じにおいがするのよねぇ…。」



「……。“残念な方”…ということですか?」





「そのあたりは……ねぇ、米山。」



「はい…、お嬢様。」





「で。アナタを含め選手の皆さんは、もちろんあの謎の言語を、ちゃんと理解できているのよねぇ?」



「そのあたりは、まあ……。 雰囲気ものでございますゆえ。」



『え〜〜〜〜〜〜!?』













「それにしても。バレーが、今日も明日もお休みなんて、なんだかつまんないわね。」



「そうでございますね。 でしたら、お嬢様。」



グイッ



!!!!!



『かっ…、カオ! ち…近い…んだけど。』



「よ…、よ…、よねや…ま?」



『な…、なんなの〜!?』









「昨日のキスから先を…、というのは、いかがでございましょう。」








「な……っ////////」









「冗談でございます。 お嬢さまの今のおカオ、『う〜け〜るぅ〜』でございました。」



「はぁぁぁぁぁぁぁ?  アンタ!いったい何度クビになれば気が済むの!?さっさと福澤くんとチェンジしなさいっ!チェンジ!!」









「それでは、私、練習に行ってまいりますので。」



「次も負けたら承知しないからっ!」



「かしこまりました。お嬢様。」








「読者の皆さま、次の試合はあさって2日(金)でございます。」



「これから強豪との試合が続きますゆえ、会場で応援されます皆さまも、テレビの前の皆さまも、さらなる応援をお願いいたします。」
 
 
 
 
 
Special Thanks To 廉ちゃん
2011.11.30


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